香水やオーデコロン等のフレグランス類は、香料をアルコールに溶かした大変デリケートな製品です。これらの製品は、使用の都度、アルコール分が徐々に揮発していくので、買ったばかりの新品と比べると、使用中の商品は少しずつ色が濃くなり、香りも濃厚になり、熟成していくのが通常です。使用時香りの変化が気にならない程度であれば、多少香水の色が変わっても使用に差し支えありませんし、体に害を及ぼすこともありません。そのフレグランス本来の香りを長く楽しんでいただくためには、使用後は容器のキャップをきちんと閉め、温度変化の少ない常温の場所に保管するよう注意しましょう。開封後は1年位を目安にご使用いただくのが理想です。
香りの印象は、気候や体調、商品の保管場所によっても感じ方が微妙に異なります。また、同じ香水でも開封直後としばらくたってからでは、印象が微妙に変わることがあります。これは、最初に香り立つ「トップノート」の新鮮な印象の香りが、香水を使っていくうちにアルコール分とともに少しずつ揮発して減っていくためです。やがて香水を使い終わる頃には後に残る「ミドルノート」や「ラストノート」の印象が強くなり、香りの熟成が進み、香りが濃縮されたように感じます。そのため、新品の香水を開封した時には、まるで別の香りのように感じることがあります。香りに敏感なお客様の場合、原料の微妙な香り立ちの差や、天然原料のロットぶれ等により、変臭としてその違いを感じてしまわれることもありますが、製品の香調変化の許容範囲については厳正に管理されており、検査を通過した商品のみが販売を許可されています。
香水やオーデコロンには、普通の化粧品より濃度の濃い香料が配合されています。また、香料の種類も非常に多岐に渡ります。そのため、香料の性質などによっては、香水やオーデコロンをつけて長時間直射日光を浴びると、紫外線の影響で肌がカブレたり、かゆくなったり、肌にシミを作ったりする場合があります。香水やオーデコロンは直射日光が当たる場所にはつけないように注意しましょう。
一口に香水といっても「香水(Parfum)」から「オーデコロン(EaudeCologne)」まで、香料の濃度(香りの強さ)と持続性によって種類が分かれます。香水の種類を表にしてみると以下のようになります。
●フレグランス製品の種類
種類 | 香科の濃度 | 持続時間 |
パヒューム (パルファン) |
15~25% | 5~7時間 |
オードパヒューム (オードパルファン) |
10~15% | 4~6時間 |
オードトワレ | 5~10% | 3~4時間 |
オーデコロン | 3~5% | 1~2時間 |
●香水をつける場所
香水の種類によりつけ方も若干異なりますが、基本的には太い血管の通っているところ、体温が高い場所につけていただくのがおすすめです。
①耳のうしろ…体温の高い場所なのでよく香ります。日に当たりにくいため、紫外線の影響も受けません。
②ひじの裏側…体温が高く、脈打つたびによく香ります。
③手首の内側…脈打つたび香ります。香水をつけた後はあまりこすらず、軽くおさえるようにします。
④ひざの裏側、足首…歩くたびにほのかに香ります。
※お肌の弱いお客様の場合は直接肌にはつけずに、ハンカチやコットンなどに香水を含ませて香りを楽しむのも良い方法です。
★つけてはいけない場所
直射日光の当たるところはもちろん、わきの下は汗と混ざってしまうのでつけないようにしましょう。顔への使用も避けましょう。衣服に直接ふりかけるのもシミの原因となるので避けて下さい。
●香水のつけ方
アトマイザーでつける場合は素肌に2、3ヶ所、10~20cm離してスプレーします。空中にスプレーして、その下をくぐる方法もあります。指で直接つける場合は6~7ヶ所につけます。重めの香りは下半身に、ライトな香りは上半身にとつけ分けると、自分自身が香りで疲れてしまうことも無く、心地よくお使いいただけます。また、濃度が低いものほどカジュアルな場面でのご使用がおすすめできます。
処方によってはほとんど状態の変わらない商品もありますが、多くの化粧品は製造後、たとえ未開封であっても、わずかずつではありますが、色、匂い、粘度などに変化が現れてきます。まずは少量出してみて、外観上異常がないかご確認いただき、次に少量塗布して皮膚刺激等を感じなければ、お使いいただいても大丈夫です。
郵便局の航空便(国際便)を利用する場合、窓口では必ず商品のアルコール度数を聞かれます。これは『郵便法』によりアルコール度数60%以上のものは引火性のある危険物として郵送禁止とされているためです。当社の取り扱い商品でアルコール度数が高いものとしては以下のようなアイテムがあります。
①オードトワレ等の香水類(アルコール度数80~90%前後)
②ヘアトニック類(アルコール度数15~40%前後)
③スティック型ルームディフューザー(アルコール度数40%~70%前後)
なお、化粧水やエマルジョン、シャンプーやボディソープなどの化粧品に配合されているアルコールは数%と極微量で航空便の制限対象とはなりません。
航空法により、機内に持ち込める化粧品類(および医薬部外品)は、一容器あたり0.5リットル又は0.5kg以下、一人あたり2リットル又は2kg以下と定められています。さらに、日本を出発する全ての国際線では、客室内への液体物の持ち込みが制限されています。規定上、100ml以下の個々の容器で、それらの容器を1リットル以下の『ジッパー付き透明プラスチック袋』に入れれば、一人一袋に限り機内持ち込みが可能です。
●航空機の客室への持ち込み制限について
① 液体物のほかにも「ジェル類」や「エアゾール類」も制限対象となります。
② 保安検査後に免税店などで購入したものは機内持ち込み可能ですが、海外で飛行機を乗り継ぐような場合は、その国のルールに従い没収される可能性もありますので事前にご利用の航空会社のサービスカウンターに確認が必要です。
③ 輸入禁止物件に該当する火薬類(花火・クラッカー)、高圧ガス(カセットコンロ用ガス・消火器)、引火性液体(ライター用燃料・ペンキ)、可燃性物質(マッチ・炭)、毒物(殺虫剤・農薬)、酸化性物質(漂白剤)、腐食性物質(水銀・バッテリー)、放射性物質、その他有害物質(磁石・エンジン)、凶器(ナイフ・はさみ)は航空機内への持ち込みが禁止されています。
④ 機内持ち込みの制限事項についての具体的な判断は保安検査場の検査員が行います。
⑤ 制限対象品でも持ち込み可能な場合もありますが、海外においても同様の扱いを保証するものではありませんので、可能な限りスーツケースの中に入れ、航空会社のカウンターで受託手荷物として預けていただくことをおすすめします。
●アルコール類に関する制限について
化粧品で最もアルコール(エタノール)の配合濃度が高いものはオードトワレなどの香水類ですが、機内持ち込みを制限される項目には含まれていません。ただし、機内持ち込み可能な液体物の量には制限がありますので、アトマイザーなどに小分けにして他の化粧品と一緒にジッパー付き透明プラスチック袋に入れて機内に持ち込みます。(ちなみにアルコール飲料の場合、度数70%を超えるものは機内持ち込みも預入も不可です。)
なお、香水以外の化粧品に配合されるアルコールは極微量で、機内持ち込み、預入いずれも制限対象とはなりませんのでご安心ください。
機内持ち込み制限に関する規定は各航空会社によって変わりますし、テロ対策など緊急時は一切持ち込みが許可されない場合もあります。最終的にはご利用の航空会社のサービスカウンターにご確認いただきますようお願いします。